「人工股関節手術を受けたら、本当に痛みはなくなるのでしょうか?」
股関節の痛みで悩んでいる患者さんから、非常によくいただく質問です。
手術を検討していても、
- 痛みが残ったらどうしよう
- 手術して後悔しないだろうか
- 本当に歩けるようになるのだろうか
と不安になるのは当然です。
結論から言うと、
人工股関節手術は現在の整形外科手術の中でも特に満足度が高い手術の一つです。
多くの患者さんで股関節痛が大きく改善し、日常生活の質が向上します。
この記事では、人工股関節手術後の痛みの改善率や満足度、長期成績について解説します。
この記事でわかること
- 人工股関節手術で痛みはどれくらい改善するのか
- 手術後の満足度
- Forgotten Joint Score(FJS)とは
- 人工股関節は何年もつのか
- 手術を検討するタイミング
人工股関節手術は痛み改善効果が非常に高い手術です
人工股関節手術(THA)の最大の目的は、
股関節の痛みを改善すること
です。
変形性股関節症が進行すると、
- 歩くと痛い
- 靴下が履けない
- 階段がつらい
- 夜も痛くて眠れない
といった症状が出現します。
人工股関節手術では、傷んだ関節面を人工関節に置き換えることで、痛みの原因そのものを取り除きます。
そのため、多くの患者さんで大きな疼痛改善が期待できます。
手術後に痛みがゼロになる人もいます
もちろん全員ではありませんが、
「股関節のことを忘れて生活できる」
と表現される患者さんは少なくありません。中には左右どちらを手術したか忘れている方もいらっしゃいます。
診察室でも、
- もっと早く受ければ良かった
- 旅行へ行けるようになった
- 杖が不要になった
- 夜ぐっすり眠れるようになった
といった声をいただくことがあります。
Forgotten Joint Score(FJS)とは?
近年、人工関節の評価指標として注目されているのが、
Forgotten Joint Score(FJS)
です。
これは、
「どれだけ人工関節の存在を意識せず生活できているか」
を評価する指標です。
つまり、
点数が高いほど、関節を忘れて生活できている
ことを意味します。
人工股関節(THA)は人工膝関節(TKA)と比較してFJSが高いことが多く、患者満足度が高い手術として知られています。
実際には、
- 歩行
- 買い物
- 旅行
- 階段昇降
などの日常生活で人工関節を意識しなくなる患者さんも少なくありません。
人工股関節は人工膝関節より満足度が高い?
一般的に、
人工股関節は人工膝関節より満足度が高い
と報告されています。
もちろん個人差はありますが、
- 痛み改善
- 歩行能力改善
- 関節の自然な動き
の面で優れた結果が得られることが多いためです。
報告では、人工股関節の満足度は90%以上とされています。
人工股関節は何年もつ?
以前は、
「10〜15年しかもたない」
と言われることもありました。
しかし現在は人工関節の材質や設計が大きく進歩しています。
近年の報告では、
30年後でも90%以上が再置換を必要としなかった
という良好な成績も報告されています。
もちろん年齢や活動量によって異なりますが、以前より長期間使用できる可能性が高くなっています。
痛みが残ることはある?
一方で、
100%全員が完全に無痛になるわけではありません。
術後にも、
- 筋肉由来の痛み
- 腰椎疾患による痛み
- 腱炎
- 瘢痕部の違和感
などが残る場合があります。
そのため、
「必ずゼロになる」
ではなく、
大多数の患者さんで大幅な改善が期待できる
という表現が正確です。
当院の人工股関節手術について
当院では仰臥位(仰向け)による前方系アプローチ(ALS)で人工股関節手術を行っています。
術後は過度な生活制限を設けず、
- 旅行
- スポーツ
- 日常生活
への早期復帰を目指しています。
患者さんが再び好きなことを楽しめるようになることが、人工股関節手術の大きな価値だと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 人工股関節手術で痛みは完全になくなりますか?
多くの患者さんで大幅に改善しますが、全員が完全に無痛になるわけではありません。
Q2. 満足度は高いですか?
人工股関節は整形外科手術の中でも特に満足度が高い手術として知られています。
Q3. 人工膝関節とどちらが満足度が高いですか?
一般的には人工股関節の方が満足度が高いと報告されています。
Q4. 人工股関節は何年もちますか?
近年は30年以上良好な状態で使用できる可能性が示されています。
まとめ
人工股関節手術は、股関節の痛みを改善し、生活の質を向上させる非常に有効な治療です。
高い満足度と優れた長期成績が報告されており、多くの患者さんが旅行や趣味を再び楽しめるようになっています。
股関節痛で生活に支障が出ている方は、一度専門医へ相談することをおすすめします。
ご相談・診療について
当センターには福知山市を拠点に、北近畿エリア(綾部市・京丹後市・宮津市・与謝野町・舞鶴市・豊岡市・養父市・朝来市・丹波市)からも多数ご来院いただいています。
この記事は京都ルネス病院人工関節センター長、整形外科専門医・人工関節認定医 藤井嵩が執筆しています。

コメント