目次
この記事でわかること
- 人工膝関節置換術ってどんな手術?
- どんな人が手術の対象になる?
- 手術のメリットとデメリットは?
- 手術を受ける前に知っておきたいこと
人工膝関節置換術とは?
人工膝関節置換術は、すり減ってしまった膝の関節の表面を人工の部品に取り換える手術です。
変形性膝関節症などで痛みが強く、日常生活に支障をきたしている方に対して行われます。
どんなことをするの?
- 大腿骨と脛骨の関節の表面(軟骨がすり減っている部分)を削り、
- 金属+高分子ポリエチレン製の人工関節をぴったりはめ込むことで、
- 関節の形と動きを正常に近づけ、痛みを減らし、歩行を改善します。
手術の対象となる人は?
| 該当する状態 | 内容 |
|---|---|
| ✔ 変形性膝関節症が進行している | 関節の隙間がなくなり、X線で明らかな変形がある |
| ✔ 歩くと強い痛みがある | 痛みのために外出や階段がつらい |
| ✔ 保存療法(注射・リハビリ)で効果が不十分 | ヒアルロン酸や薬を続けても改善しない |
| ✔ 日常生活に支障が出ている | 買い物・散歩・和式トイレなどが困難になってきた |
✅ メリットは?
- 痛みの大幅な軽減
- 膝の動きの改善(歩行や階段の負担が軽くなる)
- 生活の質(QOL)の向上
- 将来の要介護リスクや転倒リスクの低下
デメリット・リスクは?
- 入院とリハビリが必要
- 感染・出血・血栓などの合併症リスク(まれ)
- 手術後、正座や激しいスポーツは制限される
- 若年者では再手術の可能性もある
よくある質問
Q. 年齢が高くても手術は可能ですか?
→ はい。90歳以上でも実施例があります。全身状態や生活背景を考慮しながら安全に対応します。
Q. 両ひざ同時に手術できますか?
→ 可能です。ただ全身状態によっては医師の判断で片側ずつとしております。
📝 まとめ
- 人工膝関節置換術は、進行した変形性膝関節症に対する根本治療
- 痛みの改善と歩行能力の回復が見込めます
- 「注射でしのいでいるけど限界…」という方は、一度整形外科で手術の適応について相談しましょう
🏥 ご相談・診療について
当院では、人工関節専門医による丁寧な診断と、患者さんに合った治療提案を行っています。
手術をする・しないに関わらず、まずはお気軽にご相談ください。
当センターには福知山市を拠点に、北近畿エリア(綾部市・京丹後市・宮津市・与謝野町・舞鶴市・豊岡市・養父市・朝来市・丹波市)からも多数ご来院いただいています。
この記事は京都ルネス病院人工関節センター センター長、整形外科専門医・人工関節認定医 藤井嵩が執筆しています。

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