- 人工股関節置換術(THA)はいつ始まったのか?
- 日本と世界における普及の流れ
- 昔と今の手術の違い(技術・材料・術後の回復)
- 今の人工股関節はどのくらい長持ちする?
- 当院が行っている最新のTHAの特徴
🦻 よくある患者さんの声
「人工股関節って昔からあったんですか?」
「昔はすぐゆるむって聞いたけど今は大丈夫?」
「歳をとっても手術って受けられるの?」
目次
🕰️ 人工股関節手術の始まり
人工股関節置換術(THA)は、1960年代 Charnleyという整形外科医によって大きく発展しました。
彼は「低摩擦・長持ちする人工関節」という考えのもと、骨セメントと高分子ポリエチレンを使ったシステムを考案し、これが現代のTHAの原型となりました。
日本では1970年代以降に本格導入され、徐々に全国の病院で行われるようになりました。
🌍 世界と日本での普及
今や人工股関節手術は、世界で年間100万件以上、日本国内でも年間数万件前後行われている非常に一般的な治療法です。
高齢化が進む中で、**「痛みからの解放」だけでなく「自立した生活を取り戻す」**ことができる選択肢として、多くの患者さんに選ばれています。
🔧 昔と今で何が変わった?
項目 | 昔(1970〜90年代) | 今(2000年代〜現在) |
---|---|---|
人工関節の材料 | 金属+ポリエチレン、セメント固定が主流 | チタン合金、セラミック、フルHAコーティングなど進化 |
手術法 | 後方アプローチが主流、筋肉切開多め | 筋肉温存型(ALSやDAAなど)、MISも普及 |
回復期間 | 2〜3週間入院+長期リハビリ | 早期離床、入院5〜10日前後で退院も可能 |
長持ちの目安 | 10〜15年程度が多かった | 20〜30年以上使える例も多数に |
合併症リスク | 感染・脱臼が比較的多め | 術式・材料進化でリスク低下中 |
🕊️ 今は高齢でも安心して受けられる
近年は90歳以上での人工股関節手術も珍しくありません。
これは、麻酔やリハビリ、栄養管理など周囲の医療が進歩していることに加え、低侵襲手術が広がったことが理由です。
「年齢的に無理かも」と思っていた方が、杖なしで歩けるようになったり、転倒リスクを減らせたりするケースも多くあります。
🏥 当院のTHAの特徴
- 仰臥位で行うALS(Anterolateral Supine)アプローチである低侵襲な手術方法を採用
- 筋肉を切らずに温存しながら安定した人工関節を設置することで、術後の動作制限は一切致しません。
- フルHAコーティングなどのセメントレスインプラントで骨との生着を促進
- 高齢者でも適応が広がる術前評価と術後サポート体制
- 早期退院・早期回復を支えるチーム医療
📝 まとめ
- 人工股関節置換術は60年以上の歴史があり、安全性と成績が確立された治療
- 材料や手術法の進化により、今では長く・快適に使えるインプラントが主流
- 高齢者でも手術可能な時代になっており、「歩ける人生」を取り戻す手段になっています
- 不安がある方も、まずは情報を知ることが第一歩です
💬 ご相談・診療について
「年齢的に手術は無理だと思っていた」
「昔聞いた人工関節の話と違っていて驚いた」
「手術の後はしてはいけない動きがたくさんあると思っていた」
「30cmくらい切ると他院で言われました」
そんな声を多くいただきます。
当院では、丁寧な診察・説明をもとに、一人ひとりに合った治療方針をご提案しています。
まずはご相談だけでも構いません。お気軽にお問い合わせください。
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