股関節の痛みは、「年齢のせい」と思われがちですが、実際には明確な原因と進行パターンがある疾患です。
特に40歳以降で、歩行時や立ち上がり時に痛みがある場合、変形性股関節症の可能性が高くなります。
本記事では、股関節の痛みの原因、保存療法と手術の考え方、受診のタイミングまで、専門医の視点で整理します。
この記事でわかること
- 股関節の痛みの主な原因
- 変形性股関節症の進行と特徴
- 保存療法で様子を見るべきか
- 人工股関節手術の適応とタイミング
- 手術で失敗しないためのポイント
股関節の痛みの原因は?
股関節の痛みの原因として多いものは以下です。
- 変形性股関節症
- 大腿骨頭壊死
- 臼蓋形成不全
- 筋・腱の炎症
中でも圧倒的に多いのが変形性股関節症です。
股関節の基本構造や病態については、当センターの股関節治療ページでも詳しく解説しています。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症は、関節の軟骨がすり減ることで、痛みや可動域制限が生じる疾患です。
- 初期:動き始めの痛み
- 中期:歩行時の痛み
- 進行期:安静時や夜間痛
このように、段階的に進行していくのが特徴です。
保存療法で改善するケースもあるが、限界がある
初期段階では、以下の保存療法が有効です。
- 体重管理
- 運動療法
- 鎮痛薬
ただし股関節は、膝と異なり構造的な問題(臼蓋形成不全など)が関与することが多く、自然改善は期待しにくいのが特徴です。
手術を検討すべきタイミング
以下のような状態であれば、手術を現実的に考える段階です。
- 歩くと痛い
- 靴下が履けない
- 爪切りが困難
- 長距離歩行ができない
- 保存療法で改善しない
この段階では、人工股関節置換術(THA)が最も有効な治療になります。
人工股関節手術とは?
人工股関節手術は、傷んだ関節を人工関節に置き換える治療です。
- 痛みの改善率は非常に高い
- 歩行能力が改善する
- 長期耐久性(30年以上という報告も)
手術方法にはいくつか種類があり、アプローチによって特徴が異なります。
詳しくは、人工股関節のアプローチ方法の解説をご覧ください。
手術のタイミングが結果を左右する
多くの方が「できるだけ我慢したい」と考えますが、
- 筋力低下
- 可動域制限
- 歩行能力低下
が進行すると、術後の回復にも影響します。
つまり、手術は遅すぎても良くないということです。
病院選びで重要なのは「誰が手術するか」
人工股関節手術では、病院名よりも執刀医の経験と専門性が重要です。
当センターでは、術前評価から手術、術後フォローまで一貫して行っています。
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まとめ
- 股関節痛の多くは変形性股関節症
- 保存療法には限界がある
- 適切なタイミングでの手術が重要
ご相談・診療について
股関節の痛みでお悩みの方は、専門医による評価をおすすめします。
当センターには福知山市を拠点に、北近畿エリアからも多数ご来院いただいています。
この記事は京都ルネス病院人工関節センター長、整形外科専門医・人工関節認定医 藤井嵩が執筆しています。

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