この記事でわかること
- 変形性膝関節症の評価に使われる一般的なレントゲン撮影
- 「臥位撮影」と「荷重(ストレス)撮影」の違い
- 実際に歩いている状態をどう評価するのか
- UKA(人工膝関節単顆置換術)を選択する際に重要な理由
- 当院が治療タイミングを重視する理由
変形性膝関節症の評価にレントゲンは欠かせません
変形性膝関節症の診断・治療方針の決定において、レントゲン検査は最も基本的かつ重要な検査です。 特に「関節の隙間(関節裂隙)」がどの程度保たれているかは、治療選択を左右します。
一般的なレントゲン撮影の問題点
多くの医療機関で行われている膝のレントゲン撮影は、ベッドに寝た状態(臥位)での撮影です。
この方法には、以下のような限界があります。
- 体重がかかっていない状態で撮影される
- 実際に歩いているときの関節の状態を反映しにくい
- 関節の隙間が「実際より広く見える」ことがある
そのため、
「レントゲンではそれほど悪く見えないのに、実際は歩くと強く痛い」
というズレが生じることがあります。
当院で行っている「荷重(ストレス)撮影」とは?
当院では、通常の撮影に加えて荷重(ストレス)撮影を行っています。
これは、実際に体重がかかった状態を再現し、
- 歩行時にどれくらい関節の隙間が狭くなるのか
- 内側・外側のどちらに負担が集中しているのか
をより正確に評価するための撮影方法です。
つまり、
「日常生活で膝にかかっている本当の負担」を可視化する検査
と言えます。
なぜUKA(単顆置換術)では特に重要なのか
UKA(人工膝関節単顆置換術)は、膝の片側だけを人工関節に置き換える手術です。
そのため、以下の点を正確に評価する必要があります。
- 本当に内側(または外側)だけが悪いのか
- 反対側の関節は十分に保たれているのか
- 体重がかかったときに隙間が狭くなっているか
臥位撮影だけでは、これらを正確に判断できないことがあります。
当院ではUKAを検討するすべての患者さんに対して、必ず荷重(ストレス)撮影を行い、
- UKAが本当に適しているか
- 将来的にTKA(全置換)が必要にならないか
を慎重に判断しています。
「適切なタイミング」で「適切な治療」を行うために
変形性膝関節症の治療で最も重要なのは、
「早すぎず、遅すぎない治療タイミング」
です。
- まだ保存治療で十分な段階なのか
- UKAが最も効果的なタイミングなのか
- すでにTKAが必要な状態なのか
これらは、正確な画像評価がなければ判断できません。
荷重(ストレス)撮影を行うことで、見た目だけでなく「実際の機能」を重視した治療選択が可能になります。
まとめ
- 一般的な臥位レントゲンでは、実際の膝の状態を過小評価することがある
- 荷重(ストレス)撮影は、歩行時の関節状態をより正確に反映する
- 特にUKAを検討する際には必須の評価方法
- 正確な評価が、適切な治療時期と治療法につながる
ご相談・診療について
「レントゲンではそれほど悪くないと言われたけれど痛みが強い」
「UKAができるのか知りたい」
「今の治療方針が本当に合っているのか不安」
そのような方は、一度当院での評価をおすすめします。
当センターには福知山市を拠点に、北近畿エリア(綾部市・京丹後市・宮津市・与謝野町・舞鶴市・豊岡市・養父市・朝来市・丹波市)からも多数ご来院いただいています。
この記事は京都ルネス病院人工関節センター センター長、整形外科専門医・人工関節認定医 藤井嵩が執筆しています。

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