この記事でわかること
- 人工関節手術におけるロボット支援の仕組みと目的
- ロボット手術と従来手術の違い(精度・安全性・再現性)
- 実際の臨床成績・報告に基づくエビデンス
目次
人工関節におけるロボット手術とは?
人工膝関節置換術(TKA/UKA)や人工股関節置換術(THA)では、関節を正確な角度・位置で設置することが、長期成績を左右します。
ロボット支援手術とは、医師の操作をロボティクス技術で補助し、インプラントの設置角度・軸・深さを制御する技術です。
ロボット手術のメリット
- 設置精度の向上:ヒトの目や手技では難しい精度で位置決め可能。
- 再現性の高さ:複数の術者でも同レベルの精度が得られ、個人差を低減。
ロボット手術の課題・限界
- 高価な設備投資が必要。
- 手術時間は若干長くなる傾向。
- 医師の熟練と技術理解が不可欠。
複数の論文によると、ロボット支援TKAでは、従来法に比べて設置精度の向上が報告されています。
よくある質問(FAQ)
Q1. ロボットが手術を全部行うのですか?
A1. いいえ。実際の操作はすべて医師が行い、ロボットは「補助的に精度を高める」役割です。ロボットが自律的に切除することはありません。
Q2. ロボット手術は安全ですか?
A2. ロボット支援手術は安全性の高い医療技術としてFDA(米国食品医薬品局)やCE認証を取得しています。日本でも複数の学会が有用性を報告しています。
Q3. 費用は高くなりますか?
A3. 保険診療として認められている場合は、大まかには基本的に自己負担は通常の人工関節手術と同様です。
まとめ
ロボット支援人工関節手術は、手術の「精度」「再現性」「安全性」を高める新しい技術です。
当センターでは、個々の患者さんの状態や希望に応じて、最適な手術方法を提案しています。最新技術と熟練の手技を融合し、安全で再現性の高い人工関節手術を提供しています。
当センターには福知山市を拠点に、北近畿エリア(綾部市・京丹後市・宮津市・与謝野町・舞鶴市・豊岡市・養父市・朝来市・丹波市)からも多数ご来院いただいています。
この記事は京都ルネス病院人工関節センター センター長、整形外科専門医・人工関節認定医 藤井嵩が執筆しています。

コメント