目次
✅ この記事でわかること
- 「半月板損傷」と「変形性膝関節症」の違い
- よくある誤解
- それぞれの症状や原因
- 治療法と予後の違い
- どちらもある場合はどうするの?
🦴 よくある患者さんの声
「半月板が切れてるって言われたけど、年のせいですか?」
「軟骨のすり減りとどう違うんですか?」
「半月板の手術をしても痛みが残るのはなぜ?」
膝の痛みの原因としてよく診断される**「半月板損傷」と「変形性膝関節症(OA)」**。
実はこの2つは別の病気ですが、同時に起きていることも多く、治療方針も異なります。
📘 それぞれの違いを表で整理!
項目 | 半月板損傷 | 変形性膝関節症(OA) |
---|---|---|
原因 | スポーツや転倒、加齢による断裂 | 加齢・体重・O脚などによる軟骨のすり減り |
主な症状 | 曲げ伸ばし時のひっかかり・ロッキング(引っかかって動かない) | 動作開始時の痛み・歩行痛・階段の昇り降り |
発症年齢 | 若年~中年もあるが、高齢では自然断裂も多い | 中高年~高齢者に多い |
画像診断 | MRIで半月板の断裂が見える | X線で関節の隙間が狭くなる・骨棘形成 |
治療法 | 保存療法(装具・リハビリ)または関節鏡手術 | 注射・リハビリ・手術(人工関節など) |
進行性 | 損傷が固定すれば落ち着くこともある(ただし後角損傷は注意) | 放置すると進行しやすい |
🧠 半月板=軟骨ではない?
患者さんの中には、「半月板=軟骨のこと」と思っている方もいますが、厳密には違います。
- 半月板は、膝のクッション役を果たす軟骨組織で、関節の中にある三日月形の板状の構造です
- 関節軟骨は、骨の表面を覆う滑らかな層で、関節の動きをスムーズにします
→ つまり、両方とも“軟骨”の一種ですが、役割と場所が異なります。
🤔 どちらもある場合は?
高齢者では「半月板も損傷しているし、変形もある」というケースがよくあります。
この場合、半月板だけを手術で取り除いても、変形や炎症が残っていれば痛みが続くこともあります。
→ 治療は“どちらが主な痛みの原因か”を慎重に見極め、必要に応じて保存療法・注射・手術を組み合わせて行います。
✅ 治療の考え方
状況 | 推奨される治療方針 |
---|---|
スポーツ外傷でロッキングが強い | 関節鏡手術で半月板を部分切除または縫合 |
中高年で断裂があっても日常生活に支障が少ない | 保存療法(リハビリ・注射)で経過観察 |
変形性関節症が進行している | ヒアルロン酸・神経ブロック・人工関節手術などの検討 |
📝 まとめ
- 半月板損傷と変形性関節症は異なる病気だが、症状が似ており同時に起こることもある
- MRIやX線で正確に診断し、原因に応じた治療法を選ぶことが重要
- 痛みが続く場合は、「どちらが主な原因か」を専門医と一緒に見極めましょう
🏥 ご相談・診療について
当院では、膝の痛みの原因をMRIやX線で丁寧に評価し、保存療法から手術まで幅広く対応しています。
「手術したのに痛みが残っている」「治療法に迷っている」という方もお気軽にご相談ください。
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